将来的な資産形成のために、セゾン投信を使った投資信託は有効な選択肢の一つです。とはいえ、「セゾン投信はおすすめしない」「他の投資信託を検討すべき」といった意見を見て、本当なのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、投資家がセゾン投信をおすすめしない3つの理由を解説します。セゾン投信が取り扱っている投資信託や主なメリット、利回りなども紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
投資家がセゾン投信をおすすめしない3つの理由
セゾン投信はおすすめしないと言われる理由として、以下の3つが挙げられます。
- 投資先の選択肢が2つしかない
- 運用にかかる手数料が高い
- 購入金額などの変更手続きが複雑である
それぞれの理由を見ていきましょう。
セゾン投信をおすすめしない理由①投資先の選択肢が2つしかない
セゾン投信が取り扱うファンドは、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と「セゾン資産形成の達人ファンド」の2本だけです。
選択肢が少ないため投資先選びに迷うことは少ないですが、自分のリスク許容度や投資目標に合った適切な投資先がない場合があるかもしれません。
複数の投資信託を購入できるファンド・オブ・ファンズ方式を採用しているため、分散効果は高いといえます。しかし、セゾン投信での選択肢は2本に絞られるため、状況に応じて他社の商品も検討する必要があるでしょう。
セゾン投信をおすすめしない理由②運用にかかる手数料が高い
セゾン投信が選択するファンドには、高い運用コストがかかります。それぞれのファンドにかかる信託報酬は以下の通り。
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」:年0.58%
- セゾン資産形成の達人ファンド:年1.54%
※2024年1月26日時点
近年はコストを抑えて運用できる投資信託が増えており、運用コストに敏感な投資家にとって、セゾン投信の手数料は高いと感じられるかもしれません。
とはいえ、セゾン銀行は運用会社が投資家に直接商品を販売する「直接投信」の方式を取り入れており、比較的信頼度が高い点を考慮すると「このくらいの信託報酬なら想定内」と思えるのではないでしょうか。
セゾン投信をおすすめしない理由③購入金額などの変更手続きが複雑である
セゾン投信では、定額購入プランなどの購入金額を変更したい際、オンラインと郵送のいずれかの方法で行います。
インターネットを使ったオンライン上での手続きであれば、セゾン投信ネット取引にログイン後、設定変更画面より申し込みが可能です。
ただし、郵送で手続きをする際は「定期プラン申込書」を提出する必要があるため、手続きがやや複雑な点に注意しましょう。
セゾン投信が取り扱っている2つの投資信託の特徴
セゾン投信では以下2つの投資信託を提供しています。
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
- セゾン資産形成の達人ファンド
それぞれの商品について、特徴を解説します。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、株式と債券がそれぞれ50%の資産配分比率になっており、安定した運用を目指す商品です。このファンドでは、インデックスファンドへの投資により、世界各国の株式と債券に分散投資が行われています。
運用コストは比較的低く抑えられており、投資家にとって魅力的な選択肢といえます。
- 購入時の手数料:0%
- 信託報酬:年0.58%
- 信託財産留保額:0.1%
資産配分比率は定期的に見直され、最適なポートフォリオを維持します。セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、リスクを抑えて安定したリターンを得たい投資家におすすめの商品です。
セゾン資産形成の達人ファンド
「セゾン資産形成の達人ファンド」は、すべて株式で運用される投資信託で、長期的なリターンが見込まれる株式への投資を行います。もう一つのファンド「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と比較するとリスクは高いものの、同時に高いリターンを期待できることが特徴です。
セゾン資産形成の達人ファンドの運用コストは、以下の通りです。
- 購入時の手数料:0%
- 信託報酬:年1.54%
- 信託財産留保額:0.1%
複数のファンドへの投資により世界各国の株式に分散投資され、各地の市場規模を考慮して資産配分比率が決まります。
また、ファンドの購入方法には「定期積立プラン」と「スポット購入」の2つがあります。
- 定期積立プラン:月額5,000円以上を1,000円単位で購入可能
- スポット購入:10,000円以上を1円単位でいつでも購入可能
投資家はいずれかの購入方法を選び、自身の資金状況や投資スタイルに合った資産運用を実行できるでしょう。
セゾン投信の主なメリット3選
セゾン投信を利用するメリットとして、次の3点が挙げられます。
- 直接投資信託を購入できる
- 毎月5,000円から自動積立できる
- NISAやこども口座にも対応している
それぞれの項目について確認しましょう。
セゾン投信のメリット①直接投資信託を購入できる
セゾン投信の1つ目のメリットは、直販投資信託を購入できることです。
通常の場合、投資信託は運用会社で運用され、証券会社などを通して投資家が商品を購入します。しかし、直販型投信の場合、投資家は投資信託を運用している会社から直接購入できるため、投資商品の説明が詳しく、サービスが充実している傾向にあります。
セゾン投信もその一例であり、取り扱っている商品や投資方法について、パンフレットなどで詳しく解説されています。
セゾン投信のメリット②毎月5,000円から自動積立できる
セゾン投信の2つ目のメリットとして、毎月5,000円から自動積立が可能な点があります。長期の資産運用においては定期的な投資資金の積み立てが重要であり、セゾン投信でも自動積立を利用することで、投資をコツコツと続けられるでしょう。
定額自動積立によって入金の手間がなくなるほか、ドルコスト平均法による取引が行えます。ドルコスト平均法とは、価格変動のある金融商品を、時間を分散して一定の金額で買い続ける手法のことです。これにより、さらに安定した分散投資が可能となります。
また、定額積立投資では、売買時に感情に左右されるリスクを削減可能です。「値下がり時に焦って売却してしまった」「値上がり時に購入し過ぎてしまった」といった失敗を減らす上でも、定額積立投資を活用するメリットは大きいでしょう。
とはいえ、運用の全てをお任せにするのではなく、自分で購入タイミングや金額を選ぶスポット購入にも対応しています。そのため、投資家は自分の投資計画やスタイルに合った投資方法の使い分けが可能です。
セゾン投信のメリット③NISAやこども口座にも対応している
セゾン投信の3つ目のメリットは、NISAやこども口座にも対応していることです。長期投資を検討する方にとって、NISAに対応しているかを重視する方も多いのではないでしょうか。
セゾン投信では「カンガルーぽけっと」というこども口座のサービスも提供しており、教育費の管理や子どもの資産形成などを目的とした利用が可能です。親権者が子どもの代わりに運用し、子どもが成人すると口座を引き渡せます。
投資や資産運用は長期的な計画で進めることがポイントであり、子どもが小さなうちから計画しておくことで、最大限の複利効果を得られます。
セゾン投信の平均利回りはどのくらい?
セゾン投信の平均利回りは、商品ごとに以下のような結果となっています・
- セゾン・グローバルバランスファンド:年利+22.77%
- セゾン資産形成の達人ファンド:年利+24.62
※2024年1月25日時点
投資信託の利回りは平均3〜10%と言われており、セゾン投信の利回りは現在かなり好調であることが分かります。ただし、利回りは常に変動リスクがあるため、定期的な確認が欠かせません。
セゾン投信の今後はどうなる?バンガードの徹底による影響は?
セゾン投信は、現状として良好なパフォーマンスを維持しており将来的には安定した値動きが期待されます。とはいえ、金融商品が永遠に上昇することはあり得ないため、常にリスクがあることに注意しなければなりません。
特に、高値の状態の商品をこれから購入する場合、以前より保有している投資家よりも大きなリスクを抱えることになります。セゾン資産形成の達人ファンドについては、株式の比率が100%であるため株高の影響を受けやすく、各国の株式市場が下落に転じる可能性もあるため注意が必要です。
また、セゾン投信の中核的なファンドである「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、2022年9月より名称が「セゾン・グローバルバランスファンド」に変更されました。これは、バンガードの日本ビジネスからの撤退に伴う商標の継続利用の困難から行われたものであり、運用方針や体制に変更はないとのことです。投資家は、従来通りの長期投資を安心して継続していけるでしょう。
セゾン投信に関するよくある質問
ここでは、セゾン投信に関するよくある質問をまとめました。セゾン投信を利用すべきか迷った際は、ぜひ参考にしてください。
セゾン投信はほったらかし運用でも良い?10年後はどうなる?
セゾン投資は長期投資に向いていると言われており、ほったらかし運用でも利益が発生する設計がされています。
とはいえ、セゾン投信はアクティブファンドのため、10年後の運用成績を予想するのは難しいでしょう。投資信託では、定期的に運用成績を確認し、状況に応じた取引が求められます。
セゾン投信をやめたい場合に必要な手続きは?
セゾン投信を解約する場合、まずは解約注文をします。当日の注文は15時までのため注意しましょう。
解約注文日の翌々営業日が約定日となり、解約注文が成立すると、解約注文日から数えて6営業日目に金融機関口座へ振り込みが行われます。
中野会長の解任による影響は?今後も投資して大丈夫?
結論からいうと、今後も方針は変わらないため、安心して運用できるといえます。
中野会長はセゾン投信の経営を築いた人物であり、解任による影響を心配している方がいるかもしれません。セゾン投信の回答によれば、従来の運用方針や運用スタイルに変更はなく、中野会長の理念も継承されていくとのことでした。
セゾン投信をおすすめしない3つの理由まとめ
今回は、セゾン投信をおすすめしない3つの理由や取り扱っている商品の特徴、セゾン投信のメリット、平均利回りなどについて解説しました。
セゾン投信は商品の選択肢が少ない、運用コストがやや高いといった懸念点があるものの、直接投信による透明化されたサービスを利用可能です。長期的な資産形成を目指す投資家の方は、セゾン投信の投資信託の利用を検討してはいかがでしょうか。