iDeCoには、元本確保型の商品と元本変動型の商品があります。
元本保証型商品はその名前の通り、元本が保証された商品となりますが、「投資する意味ない」という意見もあります。
本記事では、iDeCoの元本保証型商品の基本知識からメリット・デメリット、元本保証型商品への投資がおすすめな人とおすすめできない人について解説します。
メリットとデメリットを理解してから、iDeCoの元本保証型商品に投資するか判断してくださいね。
iDeCoの元本保証型商品とは?
iDeCoの元本保証型商品とは、iDeCo(個人型確定拠出年金)の運用商品の一つで、投資元本が保証されている商品のことです。この商品は、予め決められた利率で運用されるため、投資リスクが低く、安定的な運用が期待できます。
ただし、元本保証型商品は利回りが比較的低いため、長期的な運用では、インフレによる実質的な価値の目減りが懸念されます。そのため、若い世代の方や、リスク許容度の高い方は、より高いリターンが期待できる商品を選ぶことを検討すべきでしょう。
iDeCoの元本保証型商品を選ぶメリット
iDeCoの元本保証型商品を選ぶメリットは以下の通りです。
- 投資信託商品よりもリスクを抑えて資産形成できる
- 通常の定期預金よりも利回りが高い
- 積立感覚で無理なく資産形成できる
それぞれについて解説します。
投資信託商品よりもリスクを抑えて資産形成できる
iDeCoの元本保証型商品は、投資信託商品と比較して、リスクを抑えた資産形成が可能です。
投資信託は株式や債券などに投資するため、市場の変動によって元本割れのリスクがあります。一方、元本保証型商品は予め決められた利率で運用されるため、元本が保証され、安定的なリターンが期待できます。
このため、退職間近の方や、投資リスクを取りたくない方には、元本保証型商品は適した選択肢と言えるでしょう。ただし、リスクが低い分、投資信託に比べてリターンは低くなります。
通常の定期預金よりも利回りが高い
iDeCoの元本保証型商品は、通常の定期預金と比べて高い利回りが期待できます。これは、iDeCoが長期的な資産形成を目的としているため、長期の運用が可能だからです。
定期預金は預入期間が短く、金利も低い傾向にありますが、元本保証型商品は10年以上の長期運用を前提としているため、利回りが高くなっています。また、iDeCoには税制優遇措置があるため、運用益に対する税金が非課税となる点も、通常の定期預金と比べた際のメリットと言えるでしょう。
積立感覚で無理なく資産形成ができる
iDeCoの元本保証型商品は、毎月一定額を積み立てていく感覚で、無理なく資産形成ができます。
給与から天引きで拠出することも可能なので、自動的に貯蓄ができ、ライフスタイルに合わせた資産形成を実現できます。また、積立額を自由に変更できるので、ライフイベントに合わせて拠出額を調整することもできます。
iDeCoの元本保証型商品を選ぶデメリット・意味ないと言われる理由
iDeCoの元本保証型商品を選ぶデメリット・意味ないと言われる理由は以下の通りです。
- 手数料負けする可能性がある
- インフレにより資産が目減りするリスクがある
- 運用益非課税で受けられる恩恵が少なくなる
それぞれについて解説します。
手数料負けする可能性がある
iDeCoの元本保証型商品はリスクを抑えて投資できますが、手数料が比較的高いという特徴があります。
これは、元本保証のための費用や、運用会社の管理手数料などが含まれているためです。
手数料が高いと、運用益が手数料に食われてしまい、実質的なリターンが低くなります。特に、長期的な運用においては、手数料の影響が大きくなります。
手数料が高すぎる商品を選んでしまうと、元本は保証されても、結果的に手数料負けしてしまう可能性があるため、きちんとシミュレーションを行なってから投資するか判断するようにしてください。
インフレにより資産が目減りするリスクがある
iDeCoの元本保証型商品は、予め決められた利率で運用されるため、インフレ率が利率を上回ると、実質的な資産価値が目減りするリスクがあります。
例えば、年率1%の利率で運用されている商品で、インフレ率が2%の場合、実質的には年率マイナス1%の運用となります。長期的に運用する際は、インフレの影響が大きくなるため、資産の実質的な価値が大きく減少するリスクがあります。
特に、現在の低金利環境下では、元本保証型商品の利率もかなり低くなっているため、インフレリスクには十分な注意が必要です。インフレに対抗するためには、より高いリターンが期待できる商品を組み合わせることも検討すべきでしょう。元本保証型商品だけに頼るのではなく、バランスの取れたポートフォリオを構築することが重要です。
運用益非課税で受けられる恩恵が少なくなる
iDeCoは、運用益に対する税金が非課税となる税制優遇措置がありますが、元本保証型商品では、この恩恵を十分に受けられない可能性があります。なぜなら、元本保証型商品の運用益は、他の商品と比べて低くなる傾向にあるためです。
運用益が少ないと、非課税のメリットもそれだけ少なくなってしまいます。例えば、年率0.5%の利率で運用されている元本保証型商品の場合、仮に20%の税金がかかったとしても、税引き後の運用益は年率0.4%とわずかな差しかありません。一方、年率5%のリターンが期待できる商品であれば、税引き後の運用益は年率4%となり、非課税のメリットは大きくなります。
そのため、iDeCoのメリットを最大限に活かすためには、元本保証型商品だけでなく、より高いリターンが期待できる商品も組み合わせることが重要だと言えます。
iDeCoの元本保証型商品への投資がおすすめな人
iDeCoの元本保証型商品への投資がおすすめな人は以下の通りです。
- 投資のリスクをできるだけ抑えたい人
- 数年後に退職する予定がある人
- 確実に資産を増やしたい人
- 他の投資商品と組み合わせて、ポートフォリオのリスクを分散したい人
iDeCoの元本保証型商品への投資がおすすめできない人
iDeCoの元本保証型商品への投資がおすすめできない人は以下の通りです。
- 20代や30代などの若い人
- 投資のリスクを十分に理解している人
- 長期的な運用を考えており、インフレによる資産の目減りを避けたい人
- 運用益をリスクを取ってでも増やしたい人
- iDeCoの非課税メリットを最大限に活用したい人
20代や30代などの若い人は、多少のリスクはあるものの、投資信託商品への投資がおすすめです。
オールカントリーやS&P500へ投資すれば、リスクを限りなく抑えて投資することができます。なお、S&P500へ投資したときの現実的な利回りは年利7%です。100万円を投資した場合には、1年後に107万円になります。
元本保証型商品では実現不可能な利回りとなるので、元本保証型商品へ投資するか悩んでいる場合には、オールカントリーやS&P500への投資も検討してみてください。
iDeCoを始める時におすすめの証券会社
iDeCoを始める時におすすめの証券会社を紹介します。
SBI証券
SBI証券は、iDeCo口座開設数1位の証券会社です。
セレクトプランでは、「eMAXIS Slim」シリーズを含むインデックスファンドを17本に投資することができます。
マネックス証券
マネックス証券は、オリコン顧客満足度®ランキング「iDeCo証券会社」部門で4年連続総合第1位を獲得しています。
「NASDAQ100指数」に連動するiDeCo商品を買うことができるのはマネックス証券だけなので、「米国ナスダック100指数」に連動する商品を買いたいならマネックス証券で口座開設を行いましょう。
松井証券
松井証券は、老舗のネット証券です。
「eMAXIS Slim」と「楽天バンガード」シリーズの取り扱いがあるので、SBI証券と楽天証券のいいところ取りをした投資を行いたい人におすすめです。
iDeCoの元本保証型商品の罠を理解してから投資しよう
本記事では、iDeCoの元本保証型商品の基本知識からメリット・デメリット、元本保証型商品への投資がおすすめな人とおすすめできない人について解説しました。
iDeCoの元本保証型商品を選ぶメリットは以下の通りです。
- 投資信託商品よりもリスクを抑えて資産形成できる
- 通常の定期預金よりも利回りが高い
- 積立感覚で無理なく資産形成できる
メリットとデメリットを理解してから、iDeCoの元本保証型商品に投資するか判断してください。
自分で判断することが難しい場合には、マネプロの利用もおすすめです。