信用金庫の利用や融資を検討している方の中には「なぜ信用金庫の金利は高いの?」「金利が高い理由について知りたい」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、信用金庫の金利が高い4つの理由や信用金庫を利用するメリット・デメリットを解説したのち、定期預金金利の高い信用金庫ランキングを紹介します。
信用金庫の金利が高い理由を知り、自分に合った金融機関を選びたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
信用金庫の金利が高いのはなぜ?4つの理由を徹底解説
はじめに、信用金庫とはなんなのか、簡単に確認しておきましょう。
信用金庫は地域に密着した金融機関であり、地域住民や中小企業などに金融サービスを提供する目的で設立されます。一般的に、信用金庫は地域経済の発展を支援し、地域の金融ニーズに対応することを重視しています。
そのため、銀行や大手金融機関よりも、地域への配慮やサービス提供が手厚いことが特徴です。また、信用金庫は地域における金融インフラの一部として、預金や融資、投資などの金融商品を提供しています。
信用金庫の金利が高い理由は、以下の4つです。
- 預金した資金を信金中央金庫で運用できるため
- メガバンクや地方銀行よりも取引額が小さいため
- 地域密着型であり預金が増えすぎる心配がないため
- メインバンクとしての利用機会を狙っている
それぞれの理由について解説します。
信用金庫の金利が高い理由①預金した資金を信金中央金庫で運用できるため
信用金庫は、地元の住民や中小企業から預金を受け入れると同時に、その資金を信金中央金庫に預ける仕組みです。
信金中央金庫は、全国の信用金庫から集められた預金を一元管理して効率的な運用を行っているため、信用金庫は自己資金を集中運用でき、その結果として高い金利を提供できる条件が整っています。また、信金中央金庫が信用金庫に代わってリスク管理を行うことで、信用金庫は安定した運用を実現し、高金利を維持しています。
信用金庫の金利が高い理由②メガバンクや地方銀行よりも取引額が小さいため
メガバンクや地方銀行に比べて取引額が小さいことが、信用金庫が高金利を維持する要因の一つです。規模の小ささによる取引額の限定性は、融資や投資を行う際のコストやリスクを増加させる傾向があります。
なぜなら、取引額が少ない場合、リスクを分散させるための余裕が少なくなるためです。また、リスクを適切に管理するためのシステムやプロセスを整備するためのコストも相対的に高くなります。
このような状況下で、信用金庫は高い金利を設定することで、その取引額の小ささによるリスクやコストの高さを補っています。高金利によって取引額の少なさによるリスクをカバーすることで、安定的な経営を維持できていると考えられるでしょう。
信用金庫の金利が高い理由③地域密着型であり預金が増えすぎる心配がないため
信用金庫は地域密着型の金融機関であり、一般的には地域住民や中小企業からの預金が中心です。この地域密着型の性質から、金利が高くても預金が急増する可能性は低いと考えられます。
一方で、メガバンクや地方銀行は全国規模の金融機関であり、多岐にわたる顧客層から資金を調達します。そのため、マーケット全体の動向や経済の変化によって預金が急増するリスクが高くなります。一時的な預金の大量流入は、銀行にとってリスク管理や運用の調整に課題を生じる可能性があるでしょう。
このように信用金庫は、地域密着型の性質から預金の増加に伴うリスクが比較的少ないと考えられます。地域住民や中小企業からの預金が中心であり、地域経済の動向や顧客ニーズの変化によって比較的安定した預金の流れが期待されるため、信用金庫は高金利を維持することが可能です。
信用金庫の金利が高い理由④メインバンクとしての利用機会を狙っている
地元の顧客がメインバンクとして利用する機会を狙っていることも、信用金庫が高金利を提供する理由の一つです。
顧客が信用金庫をメインバンクとして選ぶことで、長期的な取引や融資、投資などの機会が増えます。顧客が信用金庫を信頼して利用する機会が増えるほど、信用金庫はより多くのサービスや商品を提供し、顧客のニーズに応えられるといった循環が生まれます。
このような信頼関係の構築は、信用金庫にとって顧客満足度の向上や収益の拡大に貢献するでしょう。信用金庫は地域密着型のサービスであり、地域の経済発展に貢献することで、顧客との強い絆を築きます。
信用金庫を利用するメリット
信用金庫を利用するメリットには、以下のような点が挙げられます。
- メガバンクよりも定期預金の金利が高い
- 貸し渋り・貸しはがしが少ない
- 小規模の事業者が融資を受けやすい
信用金庫は地域密着型の金融機関であり、地域の経済発展を支援することを目的としています。そのため、小規模事業者に対して融資をする際は、メガバンクよりも金利が高くなる傾向にあります。ただし、高金利で定期預金が行えるため預金者にとっては収益性が高く、資産形成や投資の手段として魅力的です。
また、信用金庫は銀行よりも高い金利で融資を提供するため、貸し渋りや貸しはがしのリスクが少なく、中小企業や個人事業主などが融資を受けやすい環境が整っています。
これにより、信用金庫は顧客の個別の状況や事業計画を考慮した融資が可能です。そのため、地元の事業者が成長しやすく、地域経済の活性化に貢献します。
信用金庫を利用するデメリット
一方、信用金庫を利用する際のデメリットとしては、以下の点があります。
- 店舗数が少ない
- ATMが少ない
- 卒業制度による制限がある
信用金庫は地域密着型の金融機関であり、メガバンクと比較すると店舗数が少ない傾向があります。そのため、他の地域に移動する時や急な要望に対応してもらいたい時に、店舗へのアクセスが制限される可能性があるでしょう。
また、ATMの設置数が少ないため、顧客が現金の引き出しや預け入れ、振込などの取引を行う際に不便だと感じられるかもしれません。特に、夜間や休日に取引する機会がある場合や出張先などで取引が必要になった場合には、ATMを利用できない可能性があります。
そのほか、信用金庫の卒業制度にも注意しましょう。卒業制度とは、融資や預金が一定の条件を満たすと信用金庫のサービス利用が制限される制度です。この制度により、資金が増えすぎると信用金庫を利用できなくなる場合があるかもしれません。
定期預金金利が高いのはどこ?信用金庫の金利ランキング一覧
ここでは、全国の中でも定期預金金利の高い信用金庫をランキング形式で紹介します。以下の表にまとめましたので、ご覧ください。
信用金庫名 | 条件 | 定期預金の金利 | |
10万円 | 100万円 | ||
尼崎信用金庫 ウル虎支店 | 「ウル虎支店専用定期」(10万円以上1000万円未満) | 0.30% | 0.30% |
しずおか焼津信用金庫 しずしんインターネット支店 | 「プレミアム定期預金2023 Ⅱ」(10万円以上)※募集総額150億円に達した場合は締め切りの可能性※2024年3月31日までのキャンペーン | 0.25% | 0.25% |
豊田信用金庫 とよしんインターネット支店 | 「にこにこ定期預金」(50万円以上)※募集総額500億円に達した場合は締め切りの可能性※2024年3月31日までのキャンペーン | ー | 0.25% |
播州信用金庫 夢みらい支店 | 「ばんしん夢みらい特別金利定期預金」(100万円以上1000万円以下)※販売予定額に達した場合は締め切りの可能性※2024年5月31日までのキャンペーン | ー | 0.20% |
豊橋信用金庫 インターネット支店 | 「特別金利定期預金」(10万円以上)※募集総額100億円に達した場合は締め切りの可能性※2024年3月31日までのキャンペーン | 0.15% | 0.15% |
岡崎信用金庫 おかしんインターネット支店 | IB専用定期預金(1件当たり1万円以上500万円以内) | 0.052% | 0.052% |
信用金庫の金利に関してよくある質問
ここでは、信用金庫の金利に関してよくある質問をまとめました。信用金庫の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1,000万円を信用金庫の定期預金に預けた場合の金利・利息を比較したい
本記事で紹介した、定期預金金利の高い信用金庫6社に預けた場合、金利は以下の通りです。
信用金庫名 | 1,000万円を定期預金に預けた場合の利息(年) |
尼崎信用金庫 ウル虎支店 | +30,000円(金利0.30%) |
しずおか焼津信用金庫 しずしんインターネット支店 | +25,000円(金利0.25%) |
豊田信用金庫 とよしんインターネット支店 | +25,000円(金利0.25%) |
播州信用金庫 夢みらい支店 | +20,000円(金利0.20%) |
豊橋信用金庫 インターネット支店 | +15,000円(金利0.15%) |
岡崎信用金庫 おかしんインターネット支店 | +5,200円(金利0.052%) |
信用金庫で定期預金に関するキャンペーンをやっているのはどこ?
現在、定期預金に関するキャンペーンを行っている信用金庫の一部として、以下があります。
- しずおか焼津信用金庫 しずしんインターネット支店:固定金利年0.25%(2024年3月31日まで)
- 豊田信用金庫 とよしんインターネット支店:固定金利年0.25%(2024年3月31日まで)
- ばんしん夢みらい特別金利定期預金:固定金利年0.20%(2024年5月31日まで)
- 豊橋信用金庫 インターネット支店:固定金利年0.15%(2024年3月31日まで)
信用金庫に金利4パーセントの商品があるって本当?
「信用金庫で金利4%パーセントの商品があると聞いたけど、本当なのか知りたい」という方がいるかもしれません。
信用金庫における金利4パーセントの商品は多くの場合「出資金」を指し、信用金庫に対する出資で配当金を得られます。これは、信用金庫が地域社会の発展を支援するために出資者を募集しているためであり、平均金利は3〜5%と言われています。
イオン銀行に1,000万円の定期預金がある場合、利息はいくら?
イオン銀行の定期預金金利は、年0.01%です。仮に1,000万円の定期預金がある場合、年間1,000円の利息が発生する計算になります。
ネット以外で定期預金金利の高い銀行はどこ?
定期預金の金利が比較的高く、なおかつ実店舗を持つ銀行として、以下が挙げられます。
信用金庫の金利が高いのはなぜ?まとめ
今回は、信用金庫の金利が高いのはなぜかについて、4つの理由をそれぞれ解説しました。信用金庫は地域密着型のビジネスモデルで、地域の経済発展への支援を目的としているため、地元の住民や中小企業にとって高い利用価値があるといえます。
記事の内容を参考に信用金庫を利用すべきか検討し、将来的な資産形成や事業の発展につながる選択をしましょう。