買い物やレジャー、投資などを一つのグループにまとめることを「〇〇経済圏」といい、昨今多くの方が注目しています。今回紹介する「SBI経済圏」もその一つで、クレジットカード積立によるポイントの貯めやすさが特徴です。
本記事では、SBI経済圏の概要を解説した後、メリット・デメリットや連携するとお得なネット銀行などを紹介します。
SBI経済圏の仕組みについて知りたい方や、SBI経済圏を利用すべき理由を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
SBI経済圏とは?
SBI経済圏とは、SBIグループ内でさまざまな消費活動や投資を完結させる経済圏のことです。経済圏には他にも種類があり、楽天経済圏やPayPay(ヤフー)経済圏、au経済圏などがあります。
SBI経済圏で提供されている主なサービスには、以下が挙げられます。
SBI経済圏のサービス
- 証券会社:SBI証券
- 銀行:三井住友銀行(Olive)・SBI新生銀行・住信SBIネット銀行
- クレジットカード:三井住友カード
- 貯められるポイント:Vポイント
これらのサービスを既に利用している、もしくは今後利用する予定がある方は、ポイント還元率が高くなるなどの可能性があります。
代表的な経済圏である楽天経済圏との違いや、SBI経済圏の始め方について、以下より確認しましょう。
SBI経済圏と楽天経済圏の違い
SBI経済圏と楽天経済圏では、利用できるサービスや貯められるポイントが異なります。
SBI経済圏 | 楽天経済圏 | |
---|---|---|
ポイント | Vポイント | 楽天ポイント |
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 |
銀行 | 三井住友銀行(Olive)・SBI新生銀行・住信SBIネット銀行 | 楽天銀行 |
クレジットカード | 三井住友カード・ミライノカード など | 楽天カード |
決済方法 | Oliveフレキシブルペイ | 楽天ペイ |
通信サービス | サービス展開なし(2024/01/31時点) | 楽天モバイル・楽天ひかり |
電気 | Vポイントでんき | 楽天でんき |
ECサイト | サービス展開なし(2024/01/31時点) | 楽天市場 |
ふるさと納税 | サービス展開なし(2024/01/31時点) | 楽天ふるさと納税 |
上記を見ても分かるように、楽天経済圏は幅広いサービスを利用できます。
一方、SBI経済圏で利用できるサービスは現状多くありませんが、クレカ積立で最大5%の還元を受けられるため、投資しながらポイントも貯めたい方におすすめです。
また、SBI経済圏は比較的新しいこともあり、今後の展開に期待が集まっています。
SBI経済圏の始め方
SBI経済圏でお得にポイントを貯める方法は、SBI証券を使ったクレジットカード積立がおすすめです。
- SBI証券で口座開設
- 三井住友カードの発行
- SBI証券でクレジットカード積立を開始
口座開設の手続きは最短で1〜3日ほどかかるため、早めのタイミングで済ませておくと良いでしょう。
クレジットカードは、種類によって0.5〜5.0%の還元率でポイントを得られます。おすすめのカードについては後ほど紹介します。
SBI経済圏の4つのメリット
SBI経済圏を利用する主なメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- 三井住友カード積立で最大5%の還元率
- Olive(オリーブ)の使用で最大20%のポイント還元
- Vポイントの使い道が豊富である
- 投資保有額に応じて毎月ポイントが付与される
それぞれの項目について解説します。
三井住友カード積立で最大5%の還元率
三井住友カードにはさまざまなラインナップがありますが、三井住友カードによる積立で最大5%の還元を得られます。
主な種類 | 特徴 |
三井住友カード(NL) | ・年会費:永年無料・通常還元率:0.5%・積立還元率:0.5% |
三井住友カード ゴールド(NL) | ・年会費:5,500円(税込)・通常還元率:0.5%・積立還元率:1.0% |
三井住友カード プラチナプリファード | ・年会費:33,000円(税込)・通常還元率:1.0%・積立還元率:5.0% |
それぞれのカードには異なる年会費や還元率が設定されており、通常の三井住友カードでは0.5%、三井住友カード ゴールドでは1.0%の還元を受けられます。
楽天カードで積立投資をする場合、同じ1.0%の還元を受けるためには、年会費11,000円(税込)の楽天プレミアムカードを利用しなければならず、三井住友カードのほうがお得にポイントを獲得できることが特長です。
また、三井住友カード プラチナプリファードでは、通常の利用で1%、クレカ積立を行うと5%の還元率が適用されます。ただし、年会費が33,000円(税込)かかり、毎月5万円のクレカ積立と年間30万円以上のクレジット決済の利用予定がなければ損をしてしまうため、状況に応じた適切な選択が重要です。
対象のコンビニ・飲食店で最大20%のポイント還元
Olive(オリーブ)とは、SBI経済圏のサービスを管理できるアプリで、SBI証券の資産や三井住友グループのクレジットカードなどの一括管理が可能です。これを利用することで、最大20%のポイント還元を受けられます。
出典:三井住友銀行公式サイト
※対象のサービスのご利用状況に応じて、対象のコンビニ・飲食店でのご利用時に、通常のポイント分を含んだ最大20%ポイントが還元されます。
※¹ 商業施設内の店舗など、一部ポイント加算の対象とならない店舗があります。
※² ポイント還元率の合算は、複数のVポイントアッププログラムの条件を達成した場合、20%を超える事がございますが、景品表示法の定めに基づき、実際にポイントアップされる還元率の上限は20%までとなります。
Olive(オリーブ)を使用して最大20%のポイント還元を受けるためには、通常のカード利用によるポイント還元に加え、Oliveユーザー限定のVポイントアッププログラム、Visaタッチ決済、家族の登録の計4つの条件を満たしている必要があります。
Visaタッチ決済でのポイント還元対象店舗は、以下の通りです。
Visaタッチ決済でのポイント還元対象店舗
- セイコーマート
- セブン-イレブン
- ポプラ
- ミニストップ
- ローソン
- マクドナルド
- モスバーガー
- サイゼリヤ
- ガスト
- バーミヤン
- しゃぶ葉
- ジョナサン
- 夢庵
- その他すかいらーくグループ飲食店
- すき家
- はま寿司
- ココス
- ドトールコーヒーショップ
- エクセルシオール カフェ
- かっぱ寿司
Vポイントの使い道が豊富である
SBI経済圏を利用することで貯まる「Vポイント」には、さまざまな使い道があります。
主な使い道として挙げられるのは、投資信託の買付やクレジットカードの支払いに充てる新キャッシュバックのほか、Visaプリペイドカードへのチャージやかぞくのおさいふへのチャージ、マイレージへの移行などです。
また、今後はTポイントとの統合が発表されており、更なる使い道が増えることが期待できます。
投資保有額に応じて毎月ポイントが付与される
SBI証券の投信マイレージでは、投資の保有額に合わせて毎月ポイントが付与されます。
保有額に応じたポイントが増えるため、積極的な投資活動をしている方は、大きなポイント獲得につながるかもしれません。
SBI経済圏の3つのデメリット
反対に、SBI経済圏のデメリットには以下の要素が挙げられます。
- 他の経済圏と比較すると小規模である
- 口座開設やカード発行が必要である
- 選べる銀行やカードが多く、複雑である
それぞれの項目について解説します。
他の経済圏と比較すると小規模である
SBI経済圏は、楽天やPayPayなどの大手企業が展開する経済圏に比べると、規模が小さい傾向にあります。
サービスや加盟店の数が限られているため、すでによく利用する経済圏で生活インフラを整えている方は、SBI証券のメリットをあまり感じられないかもしれません。
ただし、クレジットカードによる積立を目的としている場合、最大5%の還元を受けられるため、SBI経済圏を利用するメリットは大きいでしょう。
口座開設やカード発行が必要である
SBI経済圏を利用するには、口座開設やカード発行が必要です。これは他の経済圏でも言えることですが、利用者は証券口座を開設し、クレジットカードを取得する必要があります。
利用にあたり、追加の手続きや審査が必要となるため、ハードルが高いと感じる方もいるでしょう。
選べる銀行やカードが多く、複雑である
SBI経済圏では、利用者が選択できる銀行やカードの種類が多いため「どれを選ぶべきかわからない」という方もいるようです。
もし迷った場合は、積立投資が可能で、なおかつ年会費がかからない通常の三井住友カードを選んでおくと安心です。また、おすすめの銀行口座については後ほど紹介します。
いずれにおいても、自分の利用目的に合った適切な銀行やカードを選択することが欠かせません。
SBI経済圏との連携がお得なネット銀行3選
SBI証券は、特定のネット銀行と連携することで金利アップや手数料無料などの優遇を受けられます。連携がおすすめなのは、以下の2つのネット銀行です。
- Olive
- SBI新生銀行
- 住信SBIネット銀行
それぞれのネット銀行について、特徴を解説します。
Olive
Oliveでは、銀行や決済に加え、証券、保険等、必要な金融サービスを1つのアプリにまとめて管理・利用できます。
様々な手数料が無料となるため、SBI経済圏でお得に生活したい場合にはOliveアカウントの作成を検討してみてください。
- ①三井住友銀行本支店ATM 24時間手数料無料
- ②SMBCダイレクトでの他行あて振込手数料月3回まで無料
- ③定額自動送金手数料 無料
- ④定額自動入金手数料 無料
SBI新生銀行
SBI新生銀行は、かつては「新生銀行」として知られていましたが、SBIの子会社となり2023年に社名が変更されました。
- 普通預金金利:0.001〜0.1%
- 定期預金金利:0.05〜1.0%
- ATM手数料:無料(一部のATMは110円)
- 他行振込手数料:75〜214円(条件達成で最大50回無料)
参照:SBI新生銀行
SBI新生コネクトに登録するだけで、普通預金金利が通常の100倍(0.1%)になる、最高ランクの「ダイヤモンドステージ」に昇格します。
また、条件達成に応じてネットからの他行宛振込手数料が毎月50回無料になる、取引に応じて毎月最大500円のキャッシュバックがもらえるなど、さまざまな特典が用意されています。
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、三井住友銀行とSBIグループの共同運営のもと提供されるネット銀行です。
- 普通預金金利:0.001〜0.01%
- 定期預金金利:0.02%
- ATM手数料:110円(条件達成で最大20回無料)
- 他行振込手数料:145円(条件達成で最大20回無料)
参照:住信SBIネット銀行
SBI証券との連携による「SBIハイブリッド預金」では、口座残高が自動的に買付余力に反映されます。これにより、買付したいときの入金手続きが不要です。
また、外貨預金残高や年金受取に応じて、現金やJALマイルに交換できるスマプロポイントが貯まります。SBI新生銀行と比べると普通預金金利は低いものの、さまざまなサービスとの連携による利便性の高さが特長です。
SBI経済圏に関するよくある質問
ここでは、SBI経済圏に関してよくある質問をまとめました。SBI経済圏を利用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント経済圏はどこがいい?
MMDLaboが18歳から69歳の男女に対して行った「2023年7月経済圏のサービス利用に関する調査」では、最も活用している共通ポイント1位に「楽天ポイント」がランクインしています。
楽天経済圏は利用可能なサービスが豊富であり、多くのユーザーが利用しているようです。
とはいえ、経済圏によって提供されるサービスや受けられる優遇などが異なるため、自身の生活スタイルや資産計画などに合わせた経済圏を選ぶことが欠かせません。
SBI経済圏でスマホをお得に使う方法は?
現状として、SBI経済圏で関連性のあるスマートフォンや通信サービスなどはありません。
ただし、SBI経済圏が比較的新しい経済圏ということもあり、今後サービスが連携される可能性もゼロではないといえます。
SBI経済圏でネットショッピングするならどこ?
現時点では、SBI経済圏には独自のECサイトが存在しません。
経済圏の規模がまだ小さいため、ネットショッピングを含めて経済圏を絞りたい場合は、楽天経済圏などのECサイトが充実している経済圏を利用することも選択肢の一つです。
SBI経済圏の特徴やメリット・デメリットまとめ
今回は、SBI経済圏の特徴やメリット・デメリット、おすすめの口座などを解説しました。
SBI経済圏はクレジットカード積立による資産運用をしている方に特におすすめのサービスであり、条件を満たすことで最大20%のポイント還元を受けられます。
他にもさまざまな経済圏が存在するため、自身の買い物活動や投資活動などに合わせ、お得に利用できる経済圏を選びましょう。