ナスダック100とS&P500は、アメリカの株式市場における代表的な指数です。これを見ている方の中には「ナスダック100とS&P500のどちらを選ぶべきかわからない」「両方買う選択肢はアリなのかな?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、ナスダック100とS&P500のどっちを選ぶべきかについて、特徴をそれぞれ解説します。
投資信託への投資を始めようか迷っている方、どの銘柄を選ぶべきか分からないという方は、ぜひ参考にしてください。
ナスダック100とS&P500はどっちを選ぶべき?
投資商品には「これを選べば必ず勝てる」「これを選んでおけば間違いない」といった絶対的な正解はないものの、一般的にリスクが低いのはナスダック100よりもS&P500であると言われています。
なぜなら、ナスダック100とS&P500はいずれも米国の株価を表す指標ですが、以下のような違いがあるためです。
ナスダック100 | S&P500 | |
---|---|---|
構成銘柄 | ナスダック市場から100社 | ニューヨーク証券取引所とナスダック市場から500社 |
特徴 | 金融系を除く米国のナスダック市場に上場する企業で構成される | 時価総額を基準に、米国株式の約80%で構成される |
リターン(2023年上半期) | 38.8% | 15.9% |
なお、米国株式ではこれらのほかに、NYダウやナスダック総合指数などの株価指数も存在します。
ナスダック100とS&P500について、以下よりそれぞれの特徴やメリット・デメリットを解説していきます。
ナスダック100の特徴を徹底解説
ナスダック100は、アメリカの証券取引所であるナスダック市場に上場している100社の株価指数です。この指数は、時価総額加重平均という方法で、構成銘柄の時価総額合計を基準時点での時価総額合計で割った値で算出されます。
ナスダック市場には、主にテクノロジー企業や成長株などの新興企業が多く、これらの企業が多く上場していることで知られています。また、近年ではAmazonやGoogleなどの大手企業もナスダック市場に上場しており、その影響力はますます大きくなっています。
ナスダック100は成長性の高い株やテクノロジー関連企業の株に投資できるため、将来的な収益性が期待できるでしょう。その一方、成長株である分リスクも高くなるほか、S&P500と比べて企業数が少ないため、特定のセクターや業種の影響を受けやすい点に注意が必要です。
以下に、ナスダック100のメリット・デメリットについてまとめました。
ナスダック100に投資するメリット
ナスダック100の主なメリットとして挙げられるのは、次の3点です。
- 成長株へ投資できる
- イノベーション企業への投資に参加できる
- 分散投資が行える
ナスダック100は、テクノロジーや新興企業が中心であり、これらの企業は急速な成長が期待される成長株です。成長株に投資することで、将来的な資産の増加が期待できるでしょう。
また、革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業が多数含まれているナスダック100に投資することで、イノベーション企業の成長に寄与できる点もメリットです。
そのほか、100社の企業で構成される指数のナスダック100に投資することで、単一企業への投資リスクを分散できます。ただし、分散投資の観点から見ればS&P500の方がより幅広い業種やセクターをカバーしているため、十分に検討する必要があるでしょう。
ナスダック100に投資するデメリット
反対に、ナスダック100のデメリットには、以下の2点が挙げられます。
- 市場の株価に依存する
- 価格変動が激しい傾向がある
ナスダック100はテクノロジーや新興企業に重点を置いているため、市場全体の動向が投資成績に大きく依存します。また、これらの企業は特徴です。
そのため、ナスダック100は高いリターンが期待できる分、リスクが伴う銘柄であることに注意しましょう。
S&P500の特徴を徹底解説
S&P500は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表する米国株式市場の代表的な株価指数です。
名前に”500″がついている通り、この指数はニューヨーク証券取引所またはナスダックに上場している企業のうち500社の株価から、時価総額加重平均によって算出されます。時価総額加重平均は、各銘柄の時価総額合計を、基準時点の時価総額合計で割って算出します。
S&P500は米国株式市場の代表的な指数として広く認知されており、世界中の投資家にとって重要な参考指標となっています。そのため、この指数の動向は世界経済全体の動向や米国経済の健全性を示す、重要な指標の一つとして位置付けられています。
S&P500に投資するメリット
S&P500に投資するメリットとして、以下の3項目が挙げられます。
- 幅広い業種の代表銘柄をカバー
- 安定性と長期的な収益性の高さ
S&P500は500社の企業から構成され、幅広い業種やセクターを代表する銘柄が含まれています。これにより、投資家はさまざまな業種の企業に分散投資することができ、特定のセクターや業種に依存するリスクを抑えられるでしょう。
また、S&P500は市場全体の動向を反映する指標として多く使用されます。1967年の導入依頼、平均約10.7%(年間)の上昇率を記録しているS&P500は、長期的な視点で見ても安定した収益が期待できるとされています。そのため、長期的な資産形成を行う上での選択肢の一つとして選ぶ人も多いでしょう。
S&P500に投資するデメリット
反対に、S&P500に投資するデメリットとしては、以下の2項目があります。
- 必ずしも成長し続けるとは限らない
- 国際情勢の影響を受ける可能性がある
S&P500は、比較的高いパフォーマンスを記録し続けています。しかし、リーマンショックや新型コロナウイルスの拡大により下落した経験もあるように、必ずしも成長し続けるとは限らない点に注意しなければなりません。
また、S&P500はアメリカを代表する500社で構成されていますが、それ故に国際情勢の影響を受ける可能性があります。アメリカが関係する政治や経済による影響のほか、戦争やテロ、自然災害などがS&P500に影響しない可能性はゼロではないため、その他の国への分散投資も検討する必要があるでしょう。
ナスダック100とS&P500の両方買いはあり?割合は?
これを見ている方の中には「ナスダック100とS&P500の両方買いは効果あるの?」「もし両方買うなら割合はどうすべき?」といった疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
ナスダック100とS&P500の両方買いが効果的なケースとして、以下が挙げられます。
ナスダック100とS&P500の両方買いをするべきケース
- ポートフォリオの中でアメリカ株の比率を挙げたい
- アメリカの成長企業に多く投資したい
ナスダック100とS&P500の両方買いによる主なメリットは、アメリカの経済成長の恩恵を受けられることです。テクノロジーを牽引する大手企業が多く含まれるナスダック100に加え、アメリカ経済全体の動向を反映するS&P500を持つことで、経済成長の恩恵を受けられます。
ただし、ナスダック100とS&P500の両方を購入する際は、相関関係によるリスクと分散効果の限界があることに気をつけなければなりません。両指数は強い相関関係にあるため、暴落時には同時に下落する可能性が高いでしょう。また、同じ銘柄が含まれていることも多く、分散の効果は限定的です。そのため、ナスダック100とS&P500の両方買いをしたからといって、リスクヘッジには限界があることに注意しましょう。
リスクを抑えるのであれば、S&P500をメインに運用し、ナスダック100はポートフォリオの一部に加えるのが良いかもしれません。このようなバランスを取ることで、安定した収益を確保しつつ、成長性の高い企業にも投資が可能です。
ナスダック100とS&P500を購入するときにおすすめの証券会社
ナスダック100とS&P500を購入するときにおすすめの証券会社を紹介します。
ウィブル証券
Webull(ウィブル)証券は2023年4月から日本で利用できるようになった証券会社です。
米国株・米国ETFの取引手数料は0.275%(税込)と非常に安く、為替取引手数料も15銭です。
ウィブル証券のメリット
- 米国株関連の取扱銘柄数が多い
- 米国株の取引手数料が安い
- 単元未満株の取引ができる
- 取引ツールのUIが優れている取引ツールのUIが優れている
- 取引時間が長い
定期的に口座開設キャンペーンが開催されているので、少しでもお得に証券会社の口座開設を行いたいという人におすすめです。
auカブコム証券 | 携帯キャリアがauならおすすめ
auカブコム証券はau経済圏と相性が良いネット証券です。
auカブコム証券では、条件を満たすとPontaポイントが貯まります。
また、「au IDの登録で、現物および信用取引の手数料が1%割引」「auカブコム証券でKDDIの株式を100株以上保有すると、現物および信用取引の手数料が最大15%割引」などauユーザーやKDDI株主向けの特典もあります。
プチ株と呼ばれる1株から投資できるサービスもあるので、高配当株をはじめとした個別株に挑戦してみたい人にもおすすめです。
\ au経済圏の人におすすめ /
マネックス証券 | 無料クレカでの積み立て還元率No.1
マネックス証券は主要ネット証券(auカブコム証券、SBI証券、松井証券、楽天証券、マネックス証券)の中で最大のポイント還元率 1.1%となっています。
ワン株(単元未満株)の買付手数料と投資信託の購入時申込手数料は0円で手数料がかからないのも嬉しいポイントです。インデックス投資+高配当株に挑戦したいという人にもマネックス証券はおすすめです。
また、IPO(新規公開株)の取り扱い銘柄数が多いうえ、完全平等抽選なので投資資金の少ない人でも当選が期待できるので、IPO投資に挑戦したい人にもおすすめです。
今なら、口座開設で2000円がもらえるキャンペーンも実施中です。
SBI証券 | 手数料が格安
SBI証券は業界トップのシェア率を誇っており、手数料が格安という特徴があります。
手数料には「スタンダードプラン」「アクティブプラン」の2つのプランがあり、スタンダードプランの手数料は55円〜、アクティブプランは1日の約定代金が100万円までなら無料です。プランは途中で変更が可能なので、投資スタイルに合わせて好きなプランを選択しましょう。
なお、以下の条件を満たすと国内株式売買手数料が無料(ゼロ革命)となります。
- インターネットコースまたは、インターネットコース(プランC)のお客さま
- 電子交付サービス申込済で当社所定の電子交付設定を行っているお客さま
また、外国株式を全部で9カ国扱っており、証券会社の中では最多となっています。
- 米国株式
- 中国株式
- 韓国株式
- ベトナム株式
- ロシア株式
- インドネシア株式
- シンガポール株式
- タイ株式
- マレーシア株式
三井住友カードでの積立投資をおこなうと、積立額の0.5%~5.0%相当のVポイントがたまります。クレジットカード積立投資の上限は5万円となるので、三井住友カードを利用すると250円〜2500円お得になります。
また、SBI証券は1株から取引できるS株(単元未満株)も取り扱っているので、高配当株の投資にもおすすめです。
ナスダック100とS&P500についてよくある質問
ここでは、ナスダック100とS&P500について、よくある質問をまとめました。
- ナスダック100はおすすめしないって本当?
-
ナスダック100は、アメリカのテクノロジー系や成長株を含む企業株で構成されているため、高いリターンが期待できます。ただし、株価の値動きが激しいため、下降局面においては下落が激しいといったリスクにも気をつける必要があるでしょう。
ナスダック100に限らず、投資において絶対的な安全策はないことを理解した上で、ポートフォリオのバランスを考慮したリスク管理を行うことが重要です。
ナスダック100指数はやばい?おすすめしないと言われる4つの理由を徹底解説 ナスダック100指数と連動する投資信託を購入している人も多いですが、値動きが激しい市場であるため、投資しても大丈夫なのか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。今回は、ナスダック100指数がおすすめしないと言われる4つの理由やナスダック100指数とS&P500の違いなどについて解説します。 - ナスダック100は10年後どうなる?
-
ナスダック100は、2022年に大きく下落したものの、2023年から2024年にかけては大幅な回復が見られました。今後の動向に期待している方も多いのではないでしょうか。
過去のナスダックの価格は、アメリカ企業の成長とともに上昇を記録しており、国際情勢によって一時の落ち込みはあるものの、全体的に見ると右肩上がりで成長し続けています。
このことからも、5年、10年といった長期単位で考えたとき、ナスダック100は成長するのではないかと言われているようです。
- ナスダック100の過去20年の平均利回りは?
-
ナスダック100の過去20年の平均利回りは、2024年1月末時点で+14.7%を記録しています。
また、直近10年では21.3%、直近5年では27%を記録し、さらに直近1年では+58.4%のパフォーマンスを記録しました。
- S&P500オール・カントリーを両方買うのは?
-
全世界株式と米国株式のどちらに投資するかはよく議論が巻き起こっていますが、結論から言うと、「両方(どっちも)買う」「どっちかを買う」どちらでも大丈夫です。
詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
オールカントリーとS&P500は結局どっちがいいの?両方買うべき? インデックス投資の投資先として人気のあるオールカントリーとS&P500ですが、どちらに投資したらいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。結論から言うと、「両方買う」「どっちかを買う」どちらでも大丈夫です。本記事では、オールカントリーとS&P500それぞれについて解説します。 - MSCIコクサイとS&P500はどっちがおすすめ?
-
どちらに投資しても問題ありません。
S&P500とMSCIコクサイの比較など、詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
MSCIコクサイとS&P500はどっちがおすすめ?評判についてわかりやすく解説 インデックス投資の投資先として人気のあるMSCIコクサイとS&P500ですが、どちらに投資したらいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。結論から言うと、「両方(どっちも)買う」「どっちかを買う」どちらでも大丈夫です。本記事では、MSCIコクサイとS&P500それぞれについて解説します。 - S&P500とオール・カントリーはどっちを買えばいいですか?
-
どちらに投資しても問題ありません。
S&P500とオール・カントリーの比較など、詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
オールカントリーとS&P500は結局どっちがいいの?両方買うべき? インデックス投資の投資先として人気のあるオールカントリーとS&P500ですが、どちらに投資したらいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。結論から言うと、「両方買う」「どっちかを買う」どちらでも大丈夫です。本記事では、オールカントリーとS&P500それぞれについて解説します。 - 楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・VTI)とS&P500はどっちがおすすめ?
-
どちらに投資しても問題ありません。
S&P500と楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・VTI)の比較など、詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
楽天・全米株式インデックス・ファンドとS&P500はどっちがおすすめ? インデックス投資の投資先として人気のある楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・VTI)とS&P500ですが、どちらに投資したらいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。本記事では、楽天・VTIとS&P500それぞれについて解説するので、どちらがいいか判断する材料としてぜひ利用してくださいね。 - S&P500だけを買えばいいですか?
-
S&P500だけを買えばいいかは以下の記事で解説しています。
投資信託はS&P500だけでいいの?全突っ込みしても平気? 投資信託のファンドを選ぶときに「S&P500だけに投資すれば大丈夫かな?」「S&P500に資金を全突っ込みしてもいいかな?」と感じている人もいるでしょう。本記事では、S&P500の基本知識から、S&P500だけでもいい理由、おすすめの証券会社について解説します。 - S&P500の買付日はいつがおすすめですか?
-
S&P500のおすすめの買付日は以下の記事で解説しています。
S&P500のおすすめの積立日はいつ?買うタイミングはいつがいい? 「S&P500のおすすめの積立日はいつ?」「S&P500を買うタイミングはいつがいい?」などとS&P500の積立タイミングに悩んでいる人もいるでしょう。本記事では、S&P500のおすすめの積立日について解説します。 - S&P500を100万円投資すると10年後はいくらになりますか?
-
S&P500を100万円投資すると10年後はいくらになるかは以下の記事で解説しています。
S&P500に100万円投資すると10年後にいくらになる? 「S&P500に100万円投資すると10年後にいくらになる?」「投資信託を100万円放置するといくらになるの?」などとS&P500に100万円投資すると10年後にいくらになるのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。本記事では、S&P500に100万円投資すると10年後にいくらになるのか解説します。 - S&P500のPERの推移や現在の値を調べたい
-
S&P500のPERの推移や現在の値を調べたい場合には、以下の記事をご覧ください。
S&P500のPERの推移の調べ方と今後の予想 「S&P500のPERの推移の調べ方が知りたい」「S&P500のPERの今後の見通しが知りたい」 など、S&P500のPERについて疑問を抱いている人もいるでしょう。本記事では、PERの基本知識からS&P500のPERの調べ方、過去の推移、S&P500のPERの今後の見通しについて解説します。
ナスダック100とS&P500のどっちを選ぶべきかまとめ
今回は「ナスダック100とS&P500のどっちを選ぶべきか」をテーマに、両指数の特徴やメリット・デメリットを解説しました。
どっちを選ぶべきか迷った際の対処法として、記事では「リスクを抑えるのであればS&P500をメインに運用し、ナスダック100はポートフォリオの一部に加える」ことをおすすめしています。
ナスダック100やS&P500に限らず、投資商品はさまざまな要因によってパフォーマンスが変動するため、適切な情報収集を行い、自身の投資目標に合わせた計画を立てましょう。