「会社を設立したばかりだけど、法人口座を作りやすい銀行ってあるの?」「スムーズに口座開設できる銀行があれば知りたい」と悩んでいる方は多いでしょう。
今回は、法人口座を作りやすいおすすめの銀行5選や法人口座の種類と特徴、法人口座の選び方について解説します。
法人口座を作りやすい銀行について知りたい方、なかなか法人口座を開設できずに困っている方は、ぜひ参考にしてください。
法人口座を作りやすい銀行はある?おすすめ銀行ランキング5選
起業したばかりの会社でも法人口座を作りやすい銀行として、今回は以下5つの金融機関を紹介します。
- みずほ銀行
- 住信SBIネット銀行
- GMOあおぞらネット銀行
- 楽天銀行
- PayPay銀行
それぞれについて、特徴を見ていきましょう。
みずほ銀行
みずほ銀行は、日本を代表するメガバンクの一つです。
「メガバンクは口座開設の審査が厳しい」と言われる中、みずほ銀行はスタートアップ企業や小規模法人への支援を重視しているため、口座開設のハードルが低いことが特徴です。そのため、新しく起業したばかりの法人にとっても利用しやすいでしょう。
また、みずほ銀行は国内外に広がるネットワークに強く、海外取引が多い企業にとっては、特に利用する価値のある銀行といえます。
振込手数料(税込) | 同行同一店内宛:無料 同行本支店宛(3万円未満):220円 同行本支店宛(3万円以上):440円 他行宛(3万円未満):490円 他行宛(3万円以上):660円 ※e-ビジネスサイトでの振込手数料を記載 |
ATM入出金手数料(税込) | 0時00分~8時00分:220円 8時00分~8時45分:110円 8時45分~18時00分:無料 18時00分~23時00分:110円 23時00分~24時00分:220円 |
入出金可能な提携ATM | イオン銀行エキナカゆうちょ銀行 など |
普通預金金利 | 0.020% |
定期預金金利 | 0.025〜0.300% |
口座開設にかかる最短日数 | 1週間程度で一次審査終了(その後申し込み書類を郵送し、キャッシュカードが送付されて口座開設完了) |
参考:https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/account/index.html
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、ネット専門の銀行として2007年に開設された銀行です。ネット銀行はメガバンクと比べて審査が比較的通りやすいと言われているため、大手銀行で口座開設できなかった方でも利用しやすいでしょう。
振込手数料の安さが特長で、金額に関係なく一律145円となっているため、コストを抑えて法人口座を運用できます。
また、法人口座の開設に必要な書類は運転免許証のみです。そのため、手間をかけずに口座を開設したい方におすすめです。
振込手数料(税込) | 同行宛:無料 他行宛:145円 |
ATM入出金手数料(税込) | 110円 |
入出金可能な提携ATM | セブン銀行 イオン銀行 ゆうちょ銀行 E.net ローソン銀行 VIEW ALTTE |
普通預金金利 | 0.001〜0.01% |
定期預金金利 | 0.02% |
口座開設にかかる最短日数 | 翌営業日 |
参考:https://www.netbk.co.jp/contents/hojin/
GMOあおぞらネット銀行
GMOあおぞらネット銀行は、5年で法人口座数が10万件を超えた、ベンチャー企業や個人事業主からも支持されている銀行です。
多くの場合、法人口座の開設には固定電話や印鑑が必要ですが、GMOあおぞらネット銀行では運転免許証のみで申請できます。
最短即日で法人口座を開設できるため、スムーズに手続きを進められます。
振込手数料(税込) | 同行宛:無料 他行宛:145円 |
ATM入出金手数料(税込) | 110円 |
入出金可能な提携ATM | セブン銀行 イオン銀行 ゆうちょ銀行 |
普通預金金利 | 0.001% |
定期預金金利 | 0.03%~0.04% |
口座開設にかかる最短日数 | 当日 |
参考:https://gmo-aozora.com/business/
楽天銀行
楽天銀行の法人口座では、事業ごとに複数の口座を開設できるため、支店ごとに異なる口座を管理しやすいことが特長です。
また、インターネットバンキングに加えて全国のATMで取引可能なため、業務をスムーズに進められるでしょう。
さらに、楽天グループのサービスと連携することで経費対策にもつながります。例えば、楽天銀行ビジネスカード(JCB)を利用すると利用金額の1%がキャッシュバックされるため、経費を削減できます。
振込手数料(税込) | 同行宛:52円 他行宛(3万円未満):150円 他行宛(3万円以上):229円 |
ATM入出金手数料(税込) | 220〜275円 |
入出金可能な提携ATM | セブン銀行 イオン銀行 ゆうちょ銀行 E.net ローソン銀行 Pat Sat 三菱UFJ銀行 みずほ銀行 VIEW ALTTE |
普通預金金利 | 0.001% |
定期預金金利 | 0.01%~0.04% |
口座開設にかかる最短日数 | 2週間程度 |
参考:https://www.rakuten-bank.co.jp/business/
PayPay銀行
PayPay銀行は、個人事業主・法人が利用しやすい銀行の一つです。
振込手数料が抑えられている上、常設特典により月10回までの振込手数料が無料になります。(口座開設の翌々月まで)
また、担保や保証人が不要の、ネット上で完結できるビジネスローンも提供しています。書類は画像提出で完了し、返済もインターネット上で行えるため、利用限度額内であれば何度でも借入れが可能です。
振込手数料(税込) | 同行宛:55円他行宛:160円 |
ATM入出金手数料(税込) | 利用金額3万円以上:0円利用額3万円未満:165~330円 |
入出金可能な提携ATM | セブン銀行 イオン銀行 ゆうちょ銀行 E.net ローソン銀行 三井住友銀行 |
普通預金金利 | 0.001% |
定期預金金利 | 0.01% |
口座開設にかかる最短日数 | 個人事業主の場合:当日法人の場合:7営業日程度 |
参考:https://www.paypay-bank.co.jp/business/index.html
法人口座の種類と金融機関別におすすめな方を解説
法人口座の主な種類として、以下の4種類があります。
金融機関 | 特徴 |
メガバンク(都市銀行) | 大都市に本店があり、全国に展開している銀行(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行) |
地方銀行 | 一般社団法人全国地方銀行協会の会員である銀行地方都市に本店があり、地域に密着したサービスを提供 |
ネット銀行 | インターネットによる取引に特化した銀行口座開設や振込など、あらゆる手続きがオンラインで完結 |
信用金庫 | 会員が出資した協同組織の非営利法人地域に密着したサービスを提供 |
上記の金融機関における法人口座について、それぞれおすすめな方の特徴を解説します。
メガバンクの法人口座がおすすめな方
メガバンクで法人口座を作るのがおすすめな方は、以下の通りです。
- 社会的信用度を高めたい方
- 大口の融資を受けたい方
みずほ銀行や三菱UFJ銀行などのメガバンクの法人口座を使っている企業は、ネット銀行を使っている企業と比べ、社会的信用度が高いと判断されやすい傾向にあります。
また、事業規模の大きいメガバンクは大口の融資にも対応しているため、大きい金額の融資を検討している企業にもおすすめです。
ただし、メガバンクでの法人口座の開設は審査が厳しいため、創業期や赤字決算の場合は審査落ちする可能性が高い点に注意しましょう。
地方銀行の法人口座がおすすめな方
地方銀行で法人口座を作るのがおすすめな方は、以下の通りです。
- 地域に根ざした事業を行う方
- 経営についてサポートを受けたい方
- 融資を受けたい方
地方銀行は地域密着型の銀行であり、地域活性化を担っています。そのため、地域に根ざした事業を行う企業のサポートを積極的に行っています。
また、メガバンクほどの資金力はないものの、地方銀行の融資は審査に通りやすい傾向にあるため、融資を受けたい方にもおすすめです。
ただし、地方銀行は主に特定の地域を対象にサポートを行っており、対応エリアが限られていることもあるため注意しましょう。
ネット銀行の法人口座がおすすめな方
ネット銀行で法人口座を作るのがおすすめな方は、以下の通りです。
- すぐに法人口座を開設したい
- 創業したばかりで口座を開設したい
- 経費を抑えて口座を運用したい
ネット銀行での法人口座開設にかかる手続きは、銀行によって最短1日で完了する場合もあります。加えて、口座開設に必要であるケースが多い印鑑や固定電話を必要としない、インターネット上で全ての手続きが完了するといったネット銀行も多いため、すぐに法人口座を開設したい方におすすめです。
また、メガバンクよりも審査はゆるい傾向にあるため、創業したばかりの企業でも利用しやすいといえます。
さらに、ネット銀行の振込手数料は、メガバンクと比べて抑えられている傾向にあります。そのため、経費を抑えて口座を運用したい方にも向いているでしょう。
ただし、ネット銀行は対面の窓口がないため不明な点を直接相談しにくい、メガバンクと比べて信頼度が下がるといった特徴もあるため、注意して選んでください。
信用金庫の法人口座がおすすめな方
信用金庫で法人口座を作るのがおすすめな方は、以下の通りです。
- 地元や地方で事業を行う方
- 創業したばかりで口座開設したい方
信用金庫は地域活性化を目的とし、経営に関するサポートを提供しているため、地元や地方での事業展開を考えている方におすすめです。
また、創業から2年未満の新設法人でも口座開設しやすい傾向にあるため、スムーズに審査をクリアしたい方にも向いているでしょう。
ただし、地域密着型の銀行であることから、最寄り以外の支店では口座を作れない、事業規模が大きすぎると脱退する必要があるといった注意点もあります。
法人口座を作りやすい銀行を見つけたい!銀行を選ぶ7つのポイント
ここでは、法人口座を作る際に、銀行を選ぶ7つのポイントを紹介します。
- 審査通過率
- 口座維持費用
- インターネットバンキングへの対応
- 海外送金への対応
- ビジネスローンへの対応
- Web申込への対応
- ビジネスデビットカードのポイント還元率
それぞれについて見ていきましょう。
審査通過率
開業したばかりの法人や赤字が続いている法人で、法人口座を開設できるか不安な場合、審査通過率の高い銀行を選ぶのがおすすめです。
審査通過率の高い銀行は、設立して間もない企業でも審査が通りやすい傾向にあります。
特に、ネット銀行は他の銀行や信用金庫よりも審査通過率が高いため、検討してみてください。
口座維持費用
口座維持費用が無料、もしくは安い銀行を選ぶことで、経費負担を減らせます。
本記事で紹介した銀行の口座維持費については、以下をご覧ください。
- みずほ銀行:月額1,760円
- 住信SBIネット銀行:無料
- GMOあおぞらネット銀行:無料
- 楽天銀行:無料
- PayPay銀行:無料
ネット銀行は口座維持費用が無料であることが多いため、費用を抑えて運用したい方におすすめです。
インターネットバンキングへの対応
インターネットバンキングに対応している銀行で法人口座を開設すると、Webから振込手続きや残高紹介、海外送金などを行えます。
多くの場合、24時間365日インターネットバンキングを利用できるため、銀行の窓口が開いている時間に来店するのが難しい方には特におすすめです。
加えて、Pay-easy(ペイジー)に対応していれば、国税電子申告・納税システムのe-Taxを使って税金や社会保険料を納付できます。
海外送金への対応
国内だけでなく、外国に支店や取引先があるといった場合、海外送金に対応している銀行を選ぶのがおすすめです。
ただし、海外送金に対応している銀行の中には、月額料金が必要となるケースも多いため、十分に確認した上で口座を開設すると安心です。また、銀行によって送金に対応している通貨が異なるため、合わせて確認しましょう。
GMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行、楽天銀行などのネット銀行は手数料無料で海外送金を行えるため、検討してみてください。
ビジネスローンへの対応
事業に必要な資金を借りる予定の方は、ビジネスローンに対応している銀行で法人口座を開設するのがおすすめです。
ビジネスローンは貸し倒れになる可能性の低い企業ほど審査が通りやすいため、法人口座を持っている会社であれば比較的スムーズに利用できるでしょう。
本記事で紹介した銀行が提供するビジネスローンと借入可能な金額については、以下の通りです。
金融機関 | ビジネスローン | 借入可能な金額 |
みずほ銀行 | みずほスマートビジネスローン | 10万〜1,000万円 |
住信SBIネット銀行 | 事業性融資dayta | 50万〜3,000万円 |
GMOあおぞらネット銀行 | あんしんワイド | 10万〜1,500万円 |
楽天銀行 | 楽天銀行ビジネスローン | 100万〜1億円 |
PayPay銀行 | ビジネスローン(法人向け) | 最大1,000万円 |
Web申込への対応
Webで口座開設の申し込みが完了する銀行であれば、最短即日で法人口座を開設できます。また、24時間365日いつでも申し込み可能なため、日中は忙しくて時間が取れない経営者の方でも安心して利用できるでしょう。
本記事で紹介した銀行のうち、GMOあおぞらネット銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行、PayPay銀行はWebで口座開設が完結するため、オンライン上で手続きを済ませたい方におすすめです。
ビジネスデビットカードのポイント還元率
ビジネスデビットカードを発行して経費の支払いをしたいと考えている場合、カードのポイント還元率が高い銀行を選びましょう。
ビジネスデビットカードの支払いで付与されたポイントは、現金としてキャッシュバックできる場合や、ポイント払いとして利用できる場合があります。
ポイント還元率は銀行によって異なるため、デビットカードの利用を検討している方は合わせてチェックしてみてください。
法人口座を作りやすい銀行に関してよくある質問
最後に、法人口座を作りやすい銀行について、よくある質問をまとめました。
法人口座開設を断られるのはどんなケース?
法人口座の開設を断られてしまう理由として、以下が挙げられます。
- 事業内容や目的が不透明である
- 事業実績がない
- 代表者の信用度が低い
- 登記住所で事業を営んでいない
- 資本金が少ない
これらのケースに該当する場合、口座開設できないことがあるため注意しましょう。
法人口座の審査がゆるいネット銀行はある?
ネット銀行の多くは、大手の銀行よりも審査がゆるいと言われています。
ただし、ネット銀行でも事業内容が不透明であったり、必要書類が不足していたりすると口座開設できない可能性が高いため、しっかりと準備した上で申請することが大切です。
起業したときにおすすめの銀行口座は?
創立から間もない頃に銀行口座を開設する場合、ネット銀行もしくは信用金庫を選ぶのがおすすめです。
メガバンクと比較して審査が比較的ゆるい傾向にあると言われているため、資本金額が少ない場合でも口座開設できる可能性が高いでしょう。
ネット銀行で法人口座を作るデメリットは?
ネット銀行で法人口座を作るデメリットは、以下の2つが挙げられます。
- 対面の窓口がないため不明な点を直接相談しにくい
- メガバンクと比べて信頼度が下がる
経営に関してサポートを受けたい、取引先からの信頼度を高めたいといった場合、メガバンクや地方銀行などで法人口座を開設すると安心です。
法人口座を作りやすい銀行まとめ
今回は、法人口座を作りやすい銀行として、みずほ銀行、住信SBIネット銀行、GMOあおぞらネット銀行、楽天銀行、Paypay銀行の5つを紹介しました。
法人口座を作る際は、銀行の種類(メガバンク、地方銀行、ネット銀行、信用金庫)によって作りやすさや口座の特徴が異なるため、企業の事業内容や事業規模に合わせて選ぶのがポイントです。
記事で紹介した法人口座を作る際の銀行の選び方を参考に、事業の成長につながる銀行を選び、口座開設に向けて準備を進めましょう。